前回に引き続き、私が若い頃に購入し『中二病テイスト』改造されたフェンダージャパンのストラトを、元のオリジナルに近い状態へ復元改造を行います。
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今回の作業は、
最強に面倒なフレット交換です\(^o^)/
ネック
トラスロッドは7割まで回ってます。抵抗を感じながらロットを緩めていきます。最後まで緩めてしまうと、弦を張ったときにネックが動く幅が大きくなり調整が困難になります。そこを踏まえて少し緩めていきます。
このストラトは、ビンテージタイプの21フレット仕様です。オールマイティーに使える機体にするために22フレット延長改造も考えました。しかしトラスロッドネジ箇所をみるとロットの位置が微妙にフレットよりです。今回は指板のアールも変更しますので、ネックへのダメージを避けるため22フレット化は断念。
フレット抜き
フレットを抜く際に、塗装ごと剥がれて指板を痛めないように、デザインナイフで塗装に切れ込みを入れておきます。
指板まで切り込みが入ってしまうと悲惨なことになります。慎重にフレットと塗装の場所に切り込みを入れていきます。
フレット抜き
持っている道具を総動員し、減ったフレットを抜いていきます。減りすぎたフレットは抜くのが超大変です。フレット抜き専用工具を使っても抜きにくいです。一気に抜くと指板が大変なことになるので、徐々に端からすこしづつ抜いていきます。
私は『喰切りペンチ』や『ラジオペンチ』を主に使っております。
すべて抜き終わりました。フレット抜きに失敗してミゾを痛めてしまうと最悪の場合、1度木材で溝埋めをしたあとフレットミゾを入れなおししなければなりません。慎重に作業しましょう。
今回は指板のアールを変更するため指板を削ります。そのためマスキングテープなど無しでやってますが、アール変更などを行わないフレット抜きは指板が確実に傷が付きます。マスキングテープなど貼って作業しましょう。
指板調整
ビンテージタイプの背の低いフレットが付いていたのですが、今回は弾きやすさ重視のため、ジャンボフレットに変更します。
JESCAR 8904
ジムダンロップの6000と同じサイズの物です。ジムダンロップは作りがやっつけアメリカンなのでこちらにします。
ジャンボフレットを打ち込みますので指板のアールを変更します。フェンダーのビンテージモデルは基本184Rなのですが、ジャンボフレットに変更と弾きやすさ向上のため241Rに調整します。
アールの付いた指板調節専用板に、紙やすり240番を薄い両面テープで貼り合わせてゴシゴシと削っていきます。
ネックに対し斜めに削ってしまうと、指板が均一になりません。まっすぐ慎重に削っていきます。
元の指板のにアールがきついため、このように真ん中から削れていきます。
指板の端が削れすぎないようにします。ハイフレットのみ平らにするタイプもありますが、私はフレット全体が均一なアールで大丈夫な人間であーる。
アールの付いた板のみで仕上げると、ネックの端が削れすぎてしまいます。水平な板などを使い微調整していきます。失敗すると結構シャレになりません。
鉄製定規で平らなのを確認します。プロはこの辺で順ぞりを計算して逆反り気味に調整できるのでしょうが、私にはできません/(^o^)\
ひたすら水平にしていきます。ミスは許されません。失敗するとゴミ箱行きの買いかえレベルです。
デザインナイフで溝に詰まった削りカスを綺麗にしていきます。
ジャンボフレットなので溝が合いません。ノコギリで少し広げます。当て木をして、垂直(90度)で切れ込みを広げていきます。ここで失敗しても地獄がまってますので、慎重にいきます。
私がフレットの溝切りに使っているノコギリは3種類です。
この3種類を使い分けております。
『ライフソー』は小型ですがもの凄く切れ味が良く、ギター専用工具なのでは?と錯覚するほど。『ゼットソー』は替え刃が色々ありますので、ボディーや改造用の木材を切るだけではなく、2x4材などをつかったDIYにも最適です。
ボディ材切断やDIYにはコチラの刃が定番で切れ味最高。
電動工具が使えない方にはオススメです。
フレット打ち
お待ちかねのフレット打ちです。その前にフレットにアールをつけておきます。指板より微妙にきつめのアールです。専用工具もありますが、ペンチで両端をつかんでグイッと曲げていきます。
あとはガンガンフレットを打ち込んでいくだけです。
画像はゴムタイプのハンマーで直接叩いてますが、実際は当て木をして鉄ハンマーで打ち込んでます。写真取り忘れちゃった/(^o^)\
このとき「指板を傷つけてしまうかも」と一瞬でも頭をよぎったら、専用保護プレートがあったほうがいいかもしれません。
私は保護しないスタイルです(・v・*
フレットを打ち込み終わったところです。
指板の調整がちゃんとなってないと、綺麗に収まりません。フレットを打つ前に、命をかけて指板調整しましょう。
はみ出たフレットをカットしていきます。ジャンボフレットなので太く切りにくいですが、パワーで押し切ります。この時、切りすぎるとフレット打ち直し、切らなすぎると削るの大変、を考えて切ります。ジャストがいいのが当たり前ですが、切りすぎると取り返しがつきませんので、少し残す方がよいです。ほんの少し残す感じです。
切り終えた状態。ギターのネックらしくなってきました。
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終わりに
次回は地獄のフレットすり合わせ作業だよ/(^o^)\
以上、ぬむめでした。