ぬむめ ブログ

趣味の記録や雑記ブログ

【現実は残酷だ】死ぬまでに言ってみたいセリフを言うチャンスがあったのに言えなかった。的な話【もうチャンスはない】



私が生きているうちに、実際に言ってみたいセリフがいくつかある。そのセリフは、自分の頑張り次第で言えるものがほとんど。

ただ、ひとつだけ私の努力だけでは言えないセリフがある。

そんなセリフを言うチャンスが訪れた。そんな話です。

そのセリフとは、そう、

「セザール」



CM セザール マンション


バブル時代にテレビで流れていた有名なコマーシャル。

ざっくりとした内容は、子供を危機一髪な場面で助け、「お名前は?」と言われ「セザール」と言って去って行く。あまりのインパクトから、OVAなど発売され一躍ブームに。しかしバブルの崩壊により、その姿を見ることは無くなった。

人を助け、去って行く。この王道パターンは西部映画の大傑作【シェーン】のオマージュだと思われる。私の両親世代は【シェーン、カンバック!】だが、私の世代は【セザール】である。


終わりの始まり


あれは忘れもしない、いつだっけな?


時は世紀末、バブルな時代が終わりを迎えた頃の話。友人が軽自動車の運送会社で働いていました。

引っ越しシーズンになり、猫の手も借りたいほど忙しいと友人から相談を受け、2週間で良いので仕事を少し手伝って欲しいと相談されました。当時、家の仕事の手伝いをしていた私は、運送屋というハードな「男らしい」仕事に憧れていおり「これは良い経験になる」と、快く引き受けることにしました。

仕事を手伝い始めてから2~3日が過ぎたころ。「運送屋なんてチョロいぜ、どぅべいべー」なんて思いながら、住宅地に荷物を届けるため、男らしく車(軽トラック)を止めた。

すると、少し離れたところ場所で、車内にキーを付けたまま、ドアロックをしているであろう、オネエさんが困った表情で車内をのぞき込んでいた。

最近の車はそのような事はすくなくなりましたが、数十年前は車のキーを付けたまま、ドアを閉めてしまう事故が多発していました。

「あらら、気の毒にね」 なんて思いながら荷物を届けるため、男らしく荷台の扉(軽トラック)を空け、配達する荷物を探す私。


「お忙しいところ申し訳御座いません」


急に後ろから声をかけられ、ビクッとする私。

振り返ると、先ほどのオネエさんが困った表情で立っていた。

私よりも5~6歳ほど上な感じ。浅野温子のようなワンレン、男女七人夏物語りに出てきそうな綺麗な顔、タイトなスーツを着てスタイルが良く、とても美しい女性だ。

当時の運送業はハードな男の職業、現在よりワルそうなイメージがあった。そんなハードボイルドな私に話しかけてくるとは。車のドアが開かないのであればそれどころではなかったのだろう。もしかすると、2~3日しか運送業をやっていない私から、ハードな雰囲気やオーラが出ていなかったのかもしれない。


「はい、何でしょうか?」

オネエさん「鍵を付けたままドアを閉めてしまって……」

「あら、それは大変ですね」

オネエさん「ハリガネのような物ありませんか?」


と言ってきた。

オネエさん、自力で鍵を開けようとしているのかよ! テレビやマンガとかでそういうの見たことあるけれどさ。ハードな運送業はそういうハリガネ的なもの持ってると思っていたのだろうか?、

もちろん、そんな物を私が持っているわけが無く、私はオネエさんに言った。


「すいません、持っていません。たぶんハリガネで鍵を開けるのは難しいと思いますよ」

オネエさん「そうですかぁ」


オネエさんは残念そうにうつむき困っていた。とりあえず、私はオネエさんの車を見にいくことに。車種は忘れましたが、新しいタイプの車で、素人が鍵を開けることはできない感じだった。


「これは素人には無理でしょうね。近くのガソリンスタンドまで乗せていくので、そこで相談してみてはいかがでしょうか?」


この当時は、携帯電話は普及しておらず、JAFなどのロードサービスをすぐに呼ぶことも出来ない。しかし、集中ドアロックなど付いている車のほうが珍しい時代、ガソリンスタンドで鍵を開けてくれる店が多かった。

私の提案に、満面の笑顔で「ありがとうございます!」とオネエさんは喜んだ。笑ったオネエさんの顔は、まぶしいくらいに可愛かった。

オネエさんをトラック(軽トラック)に乗せ、すぐ近くにガソリンスタンドがあったので、そこに行き店員さんに事情を説明した。お店も空いていたようで、店員さんに同行してもらい、してもらえることになった。

私のトラック(軽トラック)とガソリンスタンド店員さんの車二台で、オネエさんの車まで戻り、鍵を開ける作業をしてもらいました。

無事ドアが開き、ガソリンスタンドの店員さんの技術に感動を覚えながら、私はあることを思いついた。


これ、もしかしたらチャンスなんじゃね?


そう、あのセリフを言うチャンス、

「セザール」と。


ガソリンスタンドの店員さんもいるので、これはオイシすぎる、絶対に店員さんにもウケる。私は頭の中で「セザール」と言うシュミレーションを一瞬のうちに行った。


私のセルフイメージ


私「それでは失礼します」

オネエさん「せめてお名前を」

私「セザール(・v・*」

私が車(軽トラック)に乗る

ガソリンスタンドの店員さん爆笑

そして伝説へ


完璧だ。


「良かったですね、開きましたね」

オネエさん「本当にありがとうございました!助かりました!」

「それでは失礼します」


はいはい、キタキタキタ━(゚∀゚)━!


オネエさん「……」

「……」


見つめ合う私とオネエさん。


(頼むっ! 「せめてお名前を」ってオネエさん言ってくれ!! )


オネエさん「本当にありがとうございました!」

「いえいえ……」

オネエさん「……」


言わないのかよ/(^o^)\


オネエさんは、ガソリンスタンドの店員さんに「おいくらですか?領収書ください」と話し始めた。

マジかよ\(^o^)/


私は人生に一度有るか無いかのチャンスを棒に振り、がっくりと肩を落として仕事に戻った。まだオネエさんがガソリンスタンドの店員さんが近くにいるため、荷台の扉をかっこよく(軽トラック)開け、荷物を住宅地に届けに歩き出した。


終わりの終わり


荷物を運び終え、車に戻ろうとすると、オネエさんが私のトラック(軽トラック)のワイパーに、小さな紙切れをはさもうとしている所を目撃してしまった。おそらくは、お礼の言葉、電話番号などだろう。どこかのドラマで見たことがありそうな展開だ。


その時、私の頭に戦慄が走った。

これ、もうワンちゃんあるんじゃね?


私がオネエさんのお礼と電話番号が書いてあるだろう手紙をワイパーに挟む前に


私のセルフイメージ


オネエさん「親切にしていただいて、お礼をしようと思いまして……」

私「いえいえ、お礼なんて結構ですよ」

オネエさん「せめてお名前を……」

私「セザール(・v・*」

そして伝説へ


私がニュータイプに覚醒した瞬間だった。


ガソリンスタンドの店員さんは、もう帰っていなかった。オーディエンスがいないのはさみしいが、この際ぜいたくは言えない。

小走りに私の車(軽トラック)までかけより、


「どうかされましたか?」


とオネエさんに訪ねた。


オネエさん「親切にしていただいて、お礼をしたいと思いまして……」


はい、来ました。私、完全にエスパーです、ニュータイプです。コンプリートです。


「いえいえ、お礼なんて結構ですよ」


ヘイヘイヘイカモンカモンカモン!


オネエさん「困ります」

「は? 」


え?困るって?

なにこの展開/(^o^)\


オネエさん、さっきまでニコニコしていたのに、ちょっとキレ気味になってるし。


オネエさん「電話番号をメモして置いて行こうと思ったんだけど、知らない人に見られたら嫌だし困っていたの」

「はぁ……」

オネエさん「来てくれてよかったわ、これは私の名刺です」


さっきワイパーにはさもうとしたメモじゃなく、名刺かよ/(^o^)\


オネエさん「今日の夜、仕事が終わったら電話してください、自宅の方にお願いします」

「な…ななまえぇ……」

オネエさん 「○○○って読みます(オネエさんの名前)」

「い…いや、わたしの……」

オネエさん「あなたのお名前は電話の時に聞きますね。あとトラックに書いてある会社名と電話番号、車のナンバー控えさせてもらいました」

「は、はぃ……」

オネエさん「では、夜に」


なにこれ。


なに、この私が悪者みたいな展開は。


そしてオネエさんはサクッと車に乗って行ってしまった。

その時、「セザール」とオネエさんが言ったような気がした。


後日談

オネエさんはトラックに書いてあった会社の電話番号をメモっていると言っており、友人に迷惑がかかっても困る。しかたがなく、夜オネエさんに電話することにした。

電話して後日、押し切られる形でオネエさんに食事をごちそうしてもらい、そのあとオネエさんをごちそうになりました。

そして、なんだかんだと、オネエさんと付き合うことになり、ある日のこと。

前の日から泊まりでオネエさんの所に遊びに来ていた日曜の朝、おなかがすいていたので、身支度もソコソコに、ファミレスに二人で食事に行くことになった。オネエさんはスッピンでも綺麗だった。彼女もそれを自覚している。

食事中、オネエさんの仕事の愚痴を聞いていた。会話の詳しい内容は忘れてしまったが、オネエさんが言ったこの言葉を覚えている。


「色々あるよねぇ~」

オネエさん「でも、私には美貌があるしっ!」


と、少しドヤ顔で言っていた。確かにオネエさんはスッピンでも綺麗だった。

しかし、私は見てしまった。ドヤ顔したオネエさんの鼻から毛が三本出ているのを。

私はなんだかドン引きしてしまい、その後ひと月ほどで、オネエさんとお別れした。


色んな意味で The End


補足

  1. あとから聞きましたが、オネエさん的には、私の車に自分の連絡先メモを置いて、颯爽と去りたかったらしい。しかし私が来て、メモを置くところを目撃され恥ずかしくなり、キレ気味になってしまったとのこと。

  2. 鼻毛がお別れの直接の原因ではなく、私が運送屋のお手伝いが終わってから超忙しく、まったく会えなくなり、そうなった感じです。90%は鼻毛。

  3. 今も、これからも、娘ちゃんを一番に愛しているよ(・v・*

終わりに


セザール\(^o^)/


以上、ぬむめでした。


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